本(Book)

こなれた色気と無邪気な可笑しみのあるイラストレーター 安西水丸

イラストレーター安西水丸さんのイラストは、どれもこなれた色気があるように感じる。別にセクシーなイラストがあるわけではない。動物が描かれているもの、果物が描かれているもの、植物が描かれているもの。シンプルな線の中に、絶妙な色の組み合わせ方に、ああ。とため息が出ちゃうほど、大人のこなれた色気を感じてしまう。それと同時に、子どものように無邪気で純粋な可愛さや可笑しみも兼ね備えているからたまらない。時間をかけずにささっと描いているようでもあるし、緻密に計算しているようでもある。相反するいろいろな要素が混じり合ってるところに心をぐっと掴まれてしまう。この本は、そんな作品のことだけではなく、村上春樹さん、和田誠さん、嵐山光三郎さんとの仕事のことも知ることができる。

 かっこいい大人たちの仕事の仕方や遊び方を垣間見ることができることは幸せだ。安西さんは、仕事が早く終わった時に、さて今夜はどうやって過ごそうかな。て考えている時間が好きなのだそうだ。映画でも見て、行きつけの寿司屋に行って腹ごしらえをして、その後、どのバーに行こうかな〜って考えている時間。そんななんともない時間の過ごし方にも、私はなんだか憧れてしまうのだ。

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